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【愛する人を喪ったあなたへ】愛する人を想って流す涙は、その人に捧げる見えない花束

  • コラム 2020年5月6日

    私は、愛する人を喪った方へお届けする言葉を
    心を込めて丁寧にお届けしたいと
    いつも願っています。

    なぜなら、なにげにかけられた言葉に傷ついた
    経験を何度となくしてきたからです。

     

    その方が、私を気遣ってかけてくださった
    言葉だとは頭では理解していても、
    死別の悲しみにあるものは、繊細で
    大切な自分の心を偽ることができず、
    傷ついてしまうのです。

     

    大切な方を喪った方は、いつもいつも
    知らず知らずのうちに
    自分の心を救う言葉を求めています。

     

    その言葉を求めて本を夢中になって読み、
    その中から見つけることもあれば、
    ふとSNSの投稿などから目に飛び込んで
    くることもあります。

     

    ですから、私は
    愛する人を喪った方へお届けする言葉を
    心を込めて丁寧にお届けしたいと
    いつも願っているわけです。

    それでも失礼な表現をしてしまうことも
    あるかと思います。

    日々、成長していきたいと思います。

     

    今日は

    若松 英輔(わかまつ えいすけ )著

    『言葉の羅針盤』の中で、であった言葉を
    ご紹介します。

     

    あるページに
    悦柳 宗悦(やなぎ むねよし)氏の
    次の言葉を紹介しています。

     

    死にし人々にとっては、残る人々
    から贈られる涙が、
    どんなにか嬉しいであろう。

    果敢ない存在の記憶は只それ等の
    人々の心によって守られている。

    私達とても、
    悲さや苦さがなかったら、かくも
    切に故人を想う事は出来ないであろう。

    涙こそは記憶を新たにしてくれる。
    悲さに於いて、此世の魂と彼世の
    魂とが逢うのである。

     

    悦柳 宗悦(やなぎ むねよし)
    [1889~1961]美術評論家・宗教哲学者。

    「死とその悲しみに就て」より

     

     

    この言葉によせて若松氏は、こう言葉を
    紡いでいます。

     

     

    生者と死者が新たな関係において
    出会うとき、生者は、
    涙を見えない花束として
    死者にささげ、悲しみを再会の
    場所としてまみえる、というのである。

     

    自らの死を悼む他社の涙が、
    人生にとってかけがいものだとして
    も、生きているうちにはそれを手に
    入れることはできないではないか、
    それでは意味がない、
    という人もいるかもしれない。

    だが、まったく別な考え方もできる。
    人の人生は、この世で「肉体」が
    滅んでも終わらないのかもしれないからだ。

    死者の姿を見ることができない。
    それにもかかわらず死者はいると
    感じている人が少なくない。

    死者と言うとよそよそしいが、
    愛するあの人はなくなっても自分の
    そばにいて「生きている」
    そう信じている人は多くいる。

    生ける死者の存在こそ、人生は死の
    後も続くと言う確かな証しなのではないか。

    人生において、なくてはならないものとは、
    現世に必要なものではなく、
    彼方の世界においてもなお、
    かけがえのないものなのではない
    だろうか。

     

    生者と死者が新たな関係において出会うとき、
    生者は、涙を見えない花束として死者に
    ささげ、悲しみを再会の場所としてまみえる。

     

    この言葉が、私の心に飛び込んできました。

     

    私は、こう受け取りました。

    大切な人を想って流す涙は、
      その人に贈る、見えない花束。

     

    あぁ、なんと素敵な表現であろう。

    姿なきあの人に流す涙は、
    見えない花束だというのだ!

     

    死にし人々にとっては、残る人々
    から贈られる涙が、
    どんなにか嬉しいであろう。

    果敢ない存在の記憶は只それ等の
    人々の心によって守られている。

    私達とても、
    悲さや苦さがなかったら、かくも
    切に故人を想う事は出来ないであろう。

    涙こそは記憶を新たにしてくれる。
    悲さに於いて、此世の魂と彼世の魂とが
    逢うのである。

     

    ふりがなを振ってみました。

     

    死にし人々にとっては、残る人々
    から贈られる
    涙が、どんなにか嬉しいであろう。

    果敢ない(はかない)存在の記憶は
    只(ただ)
    それ等の人々の心によって
    守られている。

    私達とても悲さ(かなしさ)や苦さ
    (くるしさ)が
    なかったら、かくも
    切に故人を想う事は出来ないで
    あろう。

    涙こそは記憶を新たにしてくれる。

    悲さ(かなしさ)に於いて、
    此世(このよ)の魂と彼世(あのよ)の
    魂とが
    逢うのである。

     

    私は、この言葉とであい、この言葉を
    愛する人を喪ったあなたへ心を込めてお届けします。

     

     

    悲しみは、
    消すことができなくてもいいのです。

    ただ、ただ、
    大きな愛がその悲しみを

    包み込んでくれるのです。

     

     

    大切な人を喪った方、
    悲しみを言葉にすることから
    はじめませんか?

    言葉はあなたを癒し、さらに成長した
    あなたと出逢える道へと続きます。

     

    まだ見ぬ未来の自分と握手する場所
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    一般社団法人グリーフサポート研究所認定
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    加藤久美子

     

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    加藤 久美子

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    私の経験は産婦人科クリニック勤務で4,500人のあかちゃんと出逢ったこと。
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